コーンとチャンチン
2019.09.11
ろうけつ染の線描きをする時に使う道具です。
布のろうけつ染に道具でチャンチンと言うのがありますが、用途は同じです。
写真の道具がチャンチンです。使わないのになぜこんなにあるかって?
1本を除き東南アジアのお土産です。
では、なぜチャンチンを使わないのか。それは革のろうけつ染と布のろうけつ染の違いからです。
同じろうけつ染と言っても、布の場合は繊維の間に入り込みます。革の場合は上に乗るだけです。
この違いが脱蝋の時に顕著に現れます。
革は水洗いすれば簡単に落ちます。このため再利用が可能です。
でも、布は溶剤で洗わないと取れません。
革のろうけつ染めは上に乗るだけと言うのが利点でもあり欠点でもあるので、
少し蝋の温度が下がると剥がれてしまいます。
ですから、蝋がたっぷり入るチャンチンでは描いているうちに蝋が冷えて、
せっかく描いた線が染色するうちに剥がれてしまいます。
と言うことで、コーンと言う道具を使います。
これ、特別に作ってもらっています。 今回Kohbutoolsの内野氏に依頼して50本製作。
さすが、作家としても繊細な作品を作る人なのでロー付けも丁寧。
柄の取り付けもしっかりして、良い工具ができました。
箱にもぴったり収まりました。